アフリカの情報について

「(たとえば)『どこそこに食べ物がある。』だが、その情報を理解するのに半日もかかるとしたら、自分で探しに行ったほうが早いだろう。情報伝達の公立が高いほど、受信者の利益は高まる」(p.96引用)

しかし、ブッシュマンの世界ではこれとは間逆のベクトルの会話体が成立している。筆者はこれを「饒舌」と記している。一つ目の例はナクナエおばさんの話である。

ナクナエおばさんが周りの青年たちを圧倒するような「長い語り」をしていた。筆者は数日後、その会話を録音したテープを通訳者に聞かせたのだ。

すると、その「長い語り」を行っていたにもかかわらず「政府が近頃配給した黒い豆はいくら煮ても硬くて食べられないから、ヤギの餌にするしかない」(p.91引用)と語っているだけであった。

しかも、周りの青年たちは彼女の話を特に聞いてはいなかった。ここで筆者に生じた疑問は「どうして、グイの人たちは、かくも饒舌に話すのだろう」というものであった。これが筆者の研究テーマにつながっていく。